2019年新規追加となった世界遺産決定![第43回世界遺産委員会アゼルバイジャン・バクー会議]
- 2号
- 2019-07-17
- 世界遺産| 世界遺産メモ| 世界遺産委員会
世界遺産好きな方にとっては大注目のイベント!アゼルバイジャンの首都バクーで2019年6月30日から7月10日まで開催されていた「第43回世界遺産委員会」のお話です!本世界遺産委員会の中で2019年に新規追加となった世界遺産が決定しましたイェイイェーイ!日本からは「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)が新しく世界遺産として登録されましたYO!
「百舌鳥・古市古墳群」仁徳天皇陵古墳(大仙古墳) by ひさほゆう(セカイエ0号)
世界遺産委員会とは?!
「世界遺産委員会」は毎年1回、6~7月頃に会議を開催し、その会議の中で、事前に各国から推薦された世界遺産への新規登録候補の物件を審議し、世界遺産への登録の可否を決定するんです!つまり1年に1回この時期に世界遺産が増えるというわけなんで・す・YO!
ちなみに世界遺産に推薦できる件数は基本的に各国1年につき2件まで(文化遺産1件、自然遺産1件まで)となります。(2020年の世界遺産委員会からは例外なく各国1件のみとなります。)
新規登録の審議以外にも、世界遺産からの登録削除や、既存の世界遺産の登録内容の変更・登録範囲の拡大、危機遺産などについても審議されます。イェイ!イェ~イ!
世界遺産の総数は1,121件に!
今年の世界遺産委員会では、世界遺産候補として35件の物件がノミネートされていましたが、この中から新たに世界遺産となったのは、29件イェーイ!
世界遺産の種類には「自然遺産」「文化遺産」そして自然遺産と文化遺産の両方の要件を満たしている「複合遺産」の3種類がありますが、今年の新規登録世界遺産の内訳は、自然遺産4件、文化遺産24件、複合遺産1件でした!
これを受けて2019年7月時点での世界遺産の総数は、
2019年7月時点での世界遺産総数!
- 1,121件! = 1,092件(2018年時点) + 29件(2019年新規登録)
- 自然遺産213件、文化遺産869件、複合遺産39件!
世界遺産の総数を覚えるのは「イージー(easy)(1,121)」という語呂合わせで覚えましょう!イェイ!イェーイ!
新規登録世界遺産のリスト
下表に、今回の世界遺産委員会で、世界遺産候補としてノミネートされた35件のうち、新規登録された29物件をまとめてみました!グレーアウトされている物件は残念ながら世界遺産にならなかった物件です。また、既存の世界遺産の登録範囲拡張1件、危機遺産に新たに登録された物件1件、危機遺産から解除された物件2件もあわせて表にまとめています!
# |
地域 |
国名 |
世界遺産 |
自然遺産 |
01 |
アジア |
中国 |
Migratory Bird Sanctuaries along the Coast of Yellow Sea-Bohai Gulf of China (Phase I)(中国の黄海-渤海湾沿岸の渡り鳥保護区群) |
02 |
中東 |
イラン |
Hyrcanian Forests(ヒルカニアの森林群) |
03 |
ヨーロッパ |
アイスランド |
Vatnajökull National Park - dynamic nature of fire and ice(ヴァトナヨークトル国立公園-ダイナミックな火と氷の自然) |
04 |
ヨーロッパ |
フランス |
French Austral Lands and Seas(フランス領南方・南極地域の土地と海) |
× |
アジア |
タイ |
Kaeng Krachan Forest Complex |
× |
ヨーロッパ |
イタリア/フランス/モナコ |
Alpi del Mediterraneo - Alpes de la Méditerranée |
文化遺産 |
01 |
アジア |
インド |
Jaipur City, Rajasthan(ラジャスターン州のジャイプール市街) |
02 |
アジア |
インドネシア |
Ombilin Coal Mining Heritage of Sawahlunto(サワルントのオンビリン炭鉱遺産) |
03 |
アジア |
韓国 |
Seowon, Korean Neo-Confucian Academies(書院、韓国の新儒学の教育機関群) |
04 |
アジア |
中国 |
Archaeological Ruins of Liangzhu City(良渚鎮遺跡) |
05 |
アジア |
日本 |
Mozu-Furuichi Kofun Group: Mounded Tombs of Ancient Japan(百舌鳥・古市古墳群) |
06 |
アジア |
ミャンマー |
Bagan(バガン) |
07 |
アジア |
ラオス |
Megalithic Jar Sites in Xiengkhouang -- Plain of Jars(シエンクワーン県ジャール平原の巨大石壺遺跡群) |
08 |
中東 |
イラク |
Babylon(バビロン) |
09 |
中東 |
バーレーン |
Dilmun Burial Mounds(ディルムンの墳墓群) |
10 |
ヨーロッパ |
イギリス |
Jodrell Bank Observatory(ジョドレルバンク天文台) |
11 |
ヨーロッパ |
イタリア |
Le Colline del Prosecco di Conegliano e Valdobbiadene(コネリアーノからヴァルドッビアーデネまでのプロセッコ栽培丘陵群) |
12 |
ヨーロッパ |
スペイン |
Risco Caido and the Sacred Mountains of Gran Canaria Cultural Landscape(リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観) |
13-1 |
ヨーロッパ |
チェコ/ドイツ |
Erzgebirge/Krušnohoří Mining Region(エルツ山地/クルシュネホリ鉱業地域) |
14 |
ヨーロッパ |
チェコ |
Landscape for Breeding and Training of Ceremonial Carriage Horses at Kladruby nad Labem(クラドルビ・ナト・ラベムの儀礼用馬車馬の繁殖・訓練の景観) |
15 |
ヨーロッパ |
ドイツ |
Water Management System of Augsburg(アウクスブルクの水管理システム) |
13-2 |
ヨーロッパ |
ドイツ/チェコ |
Erzgebirge/Krušnohoří Mining Region(エルツ山地/クルシュネホリ鉱業地域) |
16 |
ヨーロッパ |
ポーランド |
Krzemionki Prehistoric Striped Flint Mining Region(クシェミオンキの先史時代の火打石採掘地域) |
17 |
ヨーロッパ |
ポルトガル |
Royal Building of Mafra--Palace, Basilica, Convent, Cerco Garden and Hunting Park(Tapada)(マフラの王家の建物-宮殿、バシリカ、修道院、庭園) |
18 |
ヨーロッパ |
ポルトガル |
Sanctuary of Bom Jesus do Monte in Braga(ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域) |
19 |
ヨーロッパ |
ロシア |
Churches of the Pskov School of Architecture(古都プスコフの記念物群) |
20 |
ヨーロッパ(NIS諸国) |
アゼルバイジャン |
Historic Centre of Sheki with the Khan's Palace(シャキの歴史地区とハーンの宮殿) |
21 |
アフリカ |
ブルキナファソ |
Ancient Ferrous Metallurgy Sites of Burkina Faso(ブルキナファソの古代製鉄遺跡群) |
22 |
北米 |
アメリカ |
The 20th century Architecture of Frank Lloyd Wright(フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群) |
23 |
北米 |
カナダ |
Writing-on-Stone / Áísínai'pi(ライティング・オン・ストーン) |
24 |
オセアニア |
オーストラリア |
Budj Bim Cultural Landscape(Budj Bimの文化的景観) |
× |
ヨーロッパ |
オーストリア |
Großglockner High Alpine Road |
× |
ヨーロッパ |
オーストリア/スロバキア/ドイツ/ハンガリー |
Frontiers of the Roman Empire - The Danube Limes |
× |
中米 |
ジャマイカ |
Sunken City of Port Royal - A Relict and Continuing Cultural Landscape |
× |
中米 |
パナマ |
Colonial Transisthmian Route of Panamá |
複合遺産 |
01 |
南米 |
ブラジル |
Paratyand Ilha Grande - Culture and Biodiversity(パラチーとグランデ島-文化と生物多様性) |
拡張登録・資産範囲の変更 |
拡張 |
ヨーロッパ |
アルバニア/北マケドニア |
[複合遺産] オフリド地域の自然遺産及び文化遺産 ※これまで北マケドニアのみの登録だったが、隣国アルバニアまで拡張 |
危機遺産 |
登録 |
中米 |
メキシコ |
[自然遺産] カリフォルニア湾の島々と保護地域群 |
解除 |
中東 |
パレスチナ |
[文化遺産] イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路 |
解除 |
南米 |
チリ |
[文化遺産] ハンバーストーンとサンタ・ラウラ硝石工場群 |
世界遺産には日本語の正式名称がないため「世界遺産イェーイ!」では「日本ユネスコ協会連盟の世界遺産一覧」のサイトに掲載されている日本語名称を使用しております。ただし、その年に新規追加となった世界遺産の日本語名称はリアルタイムには発表されないため、現時点ではTBS「THE世界遺産」の「特集 第43回世界遺産委員会リポート」のサイトから日本語名称を引用させて頂きました!
世界遺産の多い国第1位に変化が!
これまでは、世界遺産の多い国第1位は54件保有のイタリア、第2位は53件保有の中国だったのですが、今回の世界遺産委員会でイタリアが1件増えたのに対し、中国が2件増えたため、55件で中国とイタリアが並びましたイェーイ!ちなみに第3位は48件保有のスペインで・す・YO!
新規登録された29件の中で注目の世界遺産!
新規登録29件の世界遺産のうち、なんといっても一番の注目物件は、日本の「百舌鳥・古市古墳」でしょう!日本で23番目の世界遺産誕生となりますイェーイ!
しかーし、僕たち、恥かしながら「百舌鳥・古市古墳」はまだ訪問しておりませんので、世界遺産旅行仲間でセカイエ0号認定の「ひさほゆう」の写真をお借りして、ちょろっとご紹介します!
仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)拝所 by ひさほゆう(セカイエ0号)
「百舌鳥・古市古墳」は、実は大阪府で初めての世界遺産なんで・す・YO!古墳時代の最盛期(4世紀後半から5世紀後半)にかけて築かれた古代日本列島の王たちの墓群で、大阪府堺市にある「仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)」や、羽曳野市にある「応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)」など45件49基の古墳で構成されています!「仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)」など、上から見て鍵穴のような前方後円墳は、キン肉マンを読んでいた大人たちにとっては大変愛着があると思いますイェーイ!
そしてもう1つ注目したい新規世界遺産は、ミャンマーの「バガン」!
「バガン」の写真はありません! 1/2号に絵を描いてもらえばよかったなぁー。。
実はこのバガン、1997年に世界遺産登録を目指して申請していたのですが、遺跡の修復が適切ではないなどの理由から登録には至りませんでした。その後も地震に見舞われたり紆余曲折がありましたが、この度めでたく世界遺産に登録されることになりましたイェーイ!
バガンの注目ポイントは、世界三大仏教遺跡の1つであるということです!残りの2つは、世界遺産の大御所中の大御所であるアンコールの遺跡群(カンボジア)と、ボロブドゥール寺院(インドネシア)!バガンが世界遺産になったことにより、世界三大仏教遺跡全てが世界遺産に登録されたってことで・す・YO!
危機遺産
今回の世界遺産委員会では、メキシコの「カリフォルニア湾の島々と保護地域群」が新たに危機遺産入りした一方で、以下2件、パレスチナの「イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路」と、チリの「ハンバーストーンとサンタ・ラウラ硝石工場群」が危機遺産から解除されましたイェーイ!
イエスが生まれた場所!ものすごい行列の中、やっとの思いで辿り着きました!
こちらの写真はベツレヘムにある聖誕教会の一室。この銀の星がある部屋で、イエスが生まれたとされています!ベツレヘムは、2012年に世界遺産に登録されたものの、登録と同時に危機遺産リストに記載されていましたが、この度修復が進められたことが評価されて、危機遺産リストから外れることになりました!
僕たちは世界遺産に登録される前の2010年にベツレヘムを訪問したのですが、宗教の聖地って本当に圧倒されます!こういう場所で、どのように振る舞えばよいのか、はたまた、どのような振る舞いがよくないのかわからないので、めっちゃ緊張したのを覚えています。
サンタ・ラウラ工場!ものすごいへんぴな所にありましたが、やっとの思いで辿り着きました!
こちらの写真はチリの世界遺産「ハンバーストーンとサンタ・ラウラ硝石工場群」のサンタ・ラウラの工場で・す・YO!中々のヒノメミナー遺産っぷり!廃墟と化した工場の跡地で、どのように振る舞えばよいのか、はたまた、どのような振る舞いがよくないのかわからないので、おとなしく観光したのを覚えています。
ちょっとした考察
さて今年は29件の世界遺産が新たに誕生したわけですが、この29件という数字を過去の新規登録件数と比較してみたいと思います!
例年に比べると今年の世界遺産新規登録数はかなり多い!ここ10年でみても最多となります!来年2020年には1,150件前後に到達しそうですね。イヤッホ~イ!
新規登録された世界遺産の地域に注目してみると、アジア8件、中東3件、ヨーロッパ13件、アフリカ1件、北米・中米2件、南米1件、オセアニア1件となっており、やはりヨーロッパが多めとなっています!
ちなみに、今回新たに世界遺産となった物件の中でセカイェがイェイしたことがあるのは、0件イェーイ!落ち着いた頃に「百舌鳥・古市古墳群」を訪れたいと思います!ミャンマーの「バガン」も行きたいイェイ!
最後に
「世界遺産の数が増える = 世界遺産制覇率が下がる」
50.1%から48.8%に下がったぜイェーイ! ヾ(≧∇≦)〃